V:貴族の館の面影が残る小さな共同住宅
今回はイタリアの小共同住宅です。ローマの元貴族の館の緑深い庭の中にあり、
誰もが憧れるテヴェレ川沿いに建っています。建築当初は使用人の住居でしたが、
建築から100年経った現在は、リニューアルして其々2人位が住める共同住宅に
しています。各戸は狭いながら使用人の家とも思えない優雅な内装で、元貴族の
大家さんの家から持ってきた家具付です。プライバシーが守られた4戸のアパート
メントが(実はもう1戸2階ににありますが、図面は1階の4戸だけにしました)
共同の中庭を囲む様に並んでいて、この中庭は住人達が一緒に戸外の食事を楽しん
だり、読書や日光浴をしたりと、共同で使うホールの役目をしています。
また其々の住戸には、中庭と反対側に個別の小庭があって、そちらのテラスでは
木漏れ日の中の朝食を楽しんだり、お客さんを呼んでの小パーティーなどで活躍
します。各戸の面積は80u位と小さいのですが、共有の中庭と小庭のテラスが
それを補って、のびのびした生活が楽しめます。隣人とは接触しない大マンション
ではなく、このように一緒に楽しむ場所を持つ小共同住宅を日本でも建てたいもの
です。余り大きなマンションだと、このスペースがかえって煩わしいお付き合いに
なります。この快適感はお互いの生活を守れる少規模共同住宅の特権でしょうか。