V:家具の話
−イタリア人にとって家具とは
イタリア人の家具選びに法則があるわけではありませんが、
一般的に言って所得に関わらずかなり高級な家具を買います。
イタリア人は「とりあえず買う」と言う感覚は余り持っていません。
従って日本で良くあるプラスチック製の収納家具やカラーボックスの
如き物は存在しません。それでも最近は流行の一つとしてイケア等の
組み立て家具も売れています。これらは、育ち盛りの子供の家具や
独立したばかりの若者の家、物置や収納の中の家具、キッチン内の
道具類の収納など比較的暫定的なものとして使われているようです。
私の友人のべバはイタリアでも5本の指に入る大企業の経営者で、
その会社の重役をしていますが、数年前にミラノの中心地に200u程の
アパートメントを買いました。2年ほど経って、彼女の新居に招かれ
たのですが、家は未だ改装中といった趣で、自慢のキッチンの床の
スカリオラという模様をはめ込んだ人造大理石だけはやっと完成した
という感じですが、それ以外はお世辞にも居心地良くありません。
リビングの家具も白い布が掛けられて、曰く未だ気に入った物が見つ
からないので、前に使っていたものに布を掛けて使っているとの事。
本も床に積み上げられていて、本棚も未だ見つからない・・・・と
殆どそんな感じでした。
イタリア人にとって家具は孫の代まで使うもの、そして何より自分の
イメージするインテリアにピッタリのもの。それが見つかるまでは
何年でも不自由な生活を覚悟で探す生活のパートナーなのです。
実際、住みながらその家に必要且つ最適なものを見つけるのは家具
選びの失敗も少なく、合理的です。新居を最初から居心地良くする
というせっかちな感覚は皆無のようです。
次回は間取りのお話でもしましょう。

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